高齢者の方へ|年間ワクチン接種スケジュールのご案内

加齢とともに、感染症は重症化しやすくなります。当院では、患者様の健康状態やご希望に応じて、複数のワクチンを適切なタイミングでご案内しています。それぞれのワクチンの特徴と、年間を通じた接種の目安をまとめました。

1. ワクチン一覧(早見表)

ワクチン接種頻度の目安費用優先度の考え方インフルエンザ毎年1回(秋〜冬)公費助成あり(自治体による)全員に推奨新型コロナ流行状況により年1〜2回年度により変動全員に推奨肺炎球菌(PCV20等)65歳の節目で1回、以後は個別判断65歳は公費対象全員に推奨帯状疱疹生涯で1〜2回(ワクチン種類による)5歳刻みの年度に公費対象全員に推奨(特に80歳以上は要注意)RSウイルス現時点で単回(追加接種は研究中)全額自己負担(高額)ハイリスク層に優先推奨

※上記は一般的な目安です。持病や過去の接種歴により異なりますので、詳細は診察時にご相談ください。

2. 各ワクチンのご説明

インフルエンザワクチン

毎年流行株が変わるため、シーズンごとの接種が必要です。高齢者は重症化・肺炎合併のリスクが高く、最も基本となるワクチンです。

新型コロナワクチン

流行状況や新しい変異株の出現に応じて、接種の推奨時期・回数が毎年見直されます。最新の情報は接種時期が近づいた際にご案内します。

肺炎球菌ワクチン

 

帯状疱疹ワクチン|特に接種時期にご注意ください

加齢や疲労、免疫力の低下により発症しやすくなる帯状疱疹を予防します。神経痛などの後遺症(帯状疱疹後神経痛)を防ぐ効果も期待されており、50歳以上の方に広く推奨されています。
現在、多くの自治体で65歳から5歳刻みの年齢(65・70・75・80歳など)を対象に、該当年度中1回限りの公費助成が行われています。当院では、以下の点に特にご注意いただくようご案内しています。
① 公費助成対象の方は、遅くとも1月中の1回目接種をお勧めします1回目と2回目の間に2ヶ月以上の間隔が必要です。公費助成は年度内(3月末まで)の接種が条件となるため、逆算すると1月中には1回目を接種しておく必要があります。年末年始は予約が混み合いやすいため、対象年度に入られましたら早めのご予約をお勧めします。
② 80歳以上で接種歴のない方は、公費助成を待たずに接種することをお勧めします次の5歳刻みの年度まで自動的に権利が持ち越されるものではありません80歳以上は特にハイリスクな年代80歳以上で接種歴のない方については、次の公費対象年度を待たず、自己負担であっても早期の接種をお勧めしています。

RSウイルスワクチン

主に気道感染症を引き起こすウイルスで、高齢者や心肺に基礎疾患のある方では肺炎など重症化することがあります。60歳以上の方が対象で、現時点では全額自己負担・比較的高額なワクチンです。そのため、当院では以下のような方に優先的にご案内しています。

  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息などの呼吸器疾患をお持ちの方
  • 慢性心不全、虚血性心疾患などの心疾患をお持ちの方
  • 糖尿病、慢性腎臓病をお持ちの方
  • 体力の低下やフレイル傾向を感じている方

基礎疾患のない元気な方については、必須というより「選択肢の一つ」としてご検討いただくご案内をしています。

3. 年間スケジュールのイメージ

複数のワクチンを効率よく受けていただくためのモデルスケジュールです(一例)。
※ワクチンの種類により、同時接種の可否や接種間隔に規定があります。必ず医師にご確認のうえ、スケジュールを組んでください。

4. 優先順位に迷ったら

「全部は費用的に難しい」「何から受ければよいか分からない」という方も多くいらっしゃいます。当院では、以下のような考え方でご案内しています。

  1. まずは毎年必要なもの:インフルエンザ、新型コロナ
  2. 年齢の節目で、期限に注意が必要なもの:肺炎球菌(65歳)、帯状疱疹(5歳刻みの年度・特に1月までの接種開始)
  3. 公費を待たず検討すべき方:80歳以上で帯状疱疹未接種の方
  4. 持病やリスクに応じて検討するもの:RSウイルス(心肺疾患・糖尿病等をお持ちの方は優先度高)

ご予算やご事情に応じて、無理のない範囲でご検討いただければと思います。

5. まずはご相談ください

ワクチンの組み合わせや接種のタイミングは、年齢・持病・過去の接種歴によって最適な形が異なります。特に帯状疱疹ワクチンは接種期限にご注意が必要ですので、対象年度になりましたらお早めに受診・ご相談ください。
 
以上、よろしくお願い申し上げます。2026/9/21
 さくら通りクリニック 院長 春日井 啓悦